営業メンバーの育成時間が短縮、属人化していた営業育成の改善でモチベーションUPに
全研本社株式会社
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営業DXを実現するワンストップソリューションの共同開発・展開を立ち上げた。
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 執行役員 セールスマーケティング事業部 事業部長
2015年12月パーソルプロセス&テクノロジー株式会社入社。セールスマーケティングへデータ分析を統合することにより、サービスの価値最大化に取り組む。現在、営業の生産性を向上する「セールスアナリティクス/Sales Analytics」の開発に取り組み、「営業を科学する」をテーマにした営業DXサービスの推進を行っている。
株式会社ACES 代表取締役/CEO
東京大学大学院工学系研究科卒(工学博士)。松尾研究室で金融工学における深層学習の応用研究に従事。Forbes 30 Under 30 Asia 2022 Enterprise Technology部門に選出。2017年、「アルゴリズムで社会はもっとシンプルになる」というビジョンを掲げACESを創業。アカデミアと事業の接合を意識し、会社を経営しながら自らも博士号を3年で取得した。AIアルゴリズムを前提にした働き方・産業はどのような姿かという問いを立て、AIの社会実装を率いる。
総合人材サービスグループ「パーソルホールディングス」の一員であり、AIやIoTなどのテクノロジー活用でビジネスプロセスを変革し、人と組織の生産性向上をミッションに掲げるパーソルプロセス&テクノロジー株式会社。コロナ禍によって急速かつ強制的に変わった営業の現場を支え、より効率的・効果的な営業手法を導き出すべく、ACESと業務提携を結び、共同事業の開発に着手しました。業務提携に至った背景や目指す未来像について、パーソルプロセス&テクノロジー株式会社の執行役員である泉忠治氏と、株式会社ACES代表取締役の田村浩一郎が語り合いました。
泉 営業責任者や管理者から「営業が難しくなっている」という課題が多く寄せられています。Withコロナ以降には顕著ですが、飛び込み営業は論外になり、テレマーケティングも難しくなるなど、営業の方法そのものが変化せざるを得ない。また、人材流動化によりノウハウが定着せず、営業成績がバラつくのも悩みです。そこで、全体の底上げを測るべく、“営業を科学する”、つまり自社の「勝ちパターン」を型化して教育するという支援を始めることにしました。
田村 コロナによって営業の現場は強制的に変化させられ、「秘伝のタレ」の属人的な勝ちパターンだけに頼りきれないなど、従来の課題があぶり出されました。ただ、現在は誰もが「新しい営業の形」を模索しており、誰もがまだ答えを持っているわけではない、“営業DX”の黎明期。さらにオンライン商談が一般化するにつれ、コミュニケーションから価値を生むプロの営業手法をAI技術で科学的に分析可能になるなど、「新しい営業の形」につながる“営業DX”の黎明期真っ只中といえます。私は“営業を科学する”という言葉には2つの意味があると捉えています。一つはデータ入力などを省く業務の効率化、もう一つは組織力の向上です。私たちのAIソフトウェアで使っていることを意識させないほど自然に情報を処理し、自然に勝ちパターンが蓄積して科学されます。各々が得意分野を活かして「チームで勝つ」という世界の実現を目指していきたいですね。
泉 AIで仕事に「余白」ができれば、自身を向上させるための時間に充てられ、さらに仕事を楽しめる。私たちのグループビジョンである「はたらいて、笑おう。」にもつながる取り組みです。営業の「ツラさ」が取り沙汰されることも多いのですが、仕組み化によって障壁を取り除き、より良い営業のあり方を世の中に提示していきたいですね。より良い営業のあり方の一つを、私たちは「次につながる商談」と定義しています。AI分析でその商談の要素を可視化し、洗い出すことにより、顧客の態度変容につながるコミュニケーションの傾向を見つけ出したいのです。そのためには議事録を読むだけではわからず、やはり表情などから得られる情報や会話の内容などを含めた商談そのものの分析が欠かせません。
田村 今後はCRM(顧客管理システム)へ人力で入力することもなくなるでしょう。AIがミーティングや商談を分析し、顧客ニーズを洗い出し、ネクストアクションまでまとめてくれる未来はそう遠くないと踏んでいます。信頼や信用の構築という観点でも、たとえば「交渉は最後は言い切りが大事」といった属人的なプロの知見があったと思います。そこにAIから抽出したデータを掛け算することで、「次につながる商談」の分析軸が洗い出せていくと考えています。
泉 確かに、商談のノウハウは各現場にあるものの、それを認識できていないからこそ、勝ちパターンの型化が実現されないのでしょう。実現の手段には、あらゆる商談をデータ化し、体系化することが考えられますが、人間では認識量に限界がある部分をAIが補っていく。この世界はまだまだ未知なるもので、また顧客ごとに求める答えも異なりますから、システムの開発には柔軟に対応できるパートナーが必要だと感じていたときに、田村さんと出会いました。ACESが画像分析AIを開発されている様子を見て、オンライン商談にも応用できないかと直観的に考えたのです。早速、一緒に取り組むと、AIに関する知見はもちろん、先ほど話した「分析軸」を検証しながら実装していく研究力や実践力といった技術力の高さを持っており、共創しあえる事業開発パートナーだと感じました。
田村 “営業を科学する”ためにはAIの技術だけを有していても意味はなく、事業をプロフェッショナルとして運用されている方々の協力が不可欠です。また、DXによる「トランスフォーム」は意志やリーダーシップこそが大切です。泉さんが「自分は営業を科学したい」と言い切られ、またメンバーの方とお話するなかでも、パーソルプロセス&テクノロジーさんは実務面はもちろん、業界のゲームチェンジを起こしていく気概を持つからこそ、共に事業開発ができるという確信が持てました。
ーー業務提携を通じてどのような事業を創出していく予定でしょうか?
泉 “営業を科学する”とは、どういったことなのかを体現するサービスを作っていくのが第一段階だと捉えています。まずは分析データを蓄積するために、ACES MeetやSalesForce、Zoomといったツールを連携し、商談を可視化するための環境を作っていく。それが進むと、従来は定性的に文章で報告していたCRM向けのデータだけでなく、分析データベースに格納すべき定量データのあり方が見えてくるはずです。そうなれば、AIが自動で文字起こしをしたものから定量情報だけを抜き出し、「次につながる商談」の要素が見えてくる、という進化のステップがあり得るでしょう。今後は私たちと同じく“営業を科学する”ことへの関心を持つお客さまとコミュニティ的につながり、プロジェクトに共感してくださる方たちを募っていければと思っています。
田村 まさにリモートの時代に対応した営業プロセスの開発ですね。このテーマに共感していただける方たちの輪が広がっていくことで、いかに営業がプロフェッショナル職であるかも伝わりやすくなると期待しています。AIと人間が一緒に進化していった「新しい営業の姿」を提示し、ワクワクしながら、常に“営業を科学する“分野のトップランナーとして進んでいきましょう。
泉 もともとは「自社営業の勝ちパターンの型化」から始まっていますが、その裏側には営業に無駄な動きをさせずに済ませてあげたい、という管理者層の想いがあります。これが1人や2人なら再現性をもって取り組めますが、10人、20人、50人や100人と増えていくほど難しい。多人数の現場を効率化したい考えがあれば、共に取り組めることがあるはずです。
田村 ACESの行動指針に“Gemba first, verify quickly.”があります。「自分の足で情報を得て、自分の手で検証しよう」という意味合いですが、私たちは営業の現場にいる方々を大切に、プロフェッショナルな働きを支えていきたいのです。今後1〜2年のスパンで、データドリブンなセールスコンサルティングサービスとしての事業化を進めたいと考えています。ぜひ、この志を共有していただける多くの方とご一緒できたら嬉しいですね。
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